今日は朝から農業用水のため池と、近所の村道の草刈に汗を流しました。朝から ドシャ降りの中、おじいちゃん、おばあちゃんも参加します。村民の45パーセントが65歳以上という、過疎のこの村では大事な戦力です。さらにこの人たちが、あなどれません。私が見てきた街の70歳代より10歳は若い、60歳かそれより前の体力を維持しています。日々汗を流しているからか肌のつやも良く、心なしか目も輝いています。ここに住み始めたとき、近所の方が昭和9年生まれだったことに驚いたことを記憶しています。また今日の草刈でも、先行する私を70歳のおばあちゃんが追い上げる、なんて事が起こるのです。「生涯現役」なんて当たり前みたいです。

 年寄りが必要とされている田舎では、年寄りはとても元気で、一目置かれています。私から見ると新鮮で、物語の中の経験豊富な「長老」のようです。こういう所に住むと街の歪みが少し気になります。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-31 15:43 | 工房の周辺 | Comments(0)

不自然な自然

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 朝、庭の片隅に変なきのこを発見しました。服にもマントにも見えるアミアミをまとっています。早速、何だろうと思い調べてみました。・・・・・キヌガサダケ、貴重なきのこであり中華料理の高級食材に利用される、とあります。食感はシャキシャキともコリコリともありますが、私は食べたことが無いのでわかりません。「初めて味わう食感」との感想もありました。

 また、レースをまとっているような容姿から「きのこの女王」とも書かれていました。が、どうでしょうか。私の第一印象は「気色ワルイ」でした。ちなみに臭いもあります。けっしてカグワシイなどという類ではないのです。どこかで嗅いだことのある、懐かしい感じのする臭いだなと考えているとき、「あーあれかー」と思い出しました。幼い頃神奈川で嗅いだ、夏の日のドブ川の臭いでした。
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 カメラを近づけると、軸の部分までアミアミなのがわかります。この笠の下のマントのような部分は食べずに、軸を乾燥させて食べるようです。この軸は中空になっていて、この中に燕の巣を詰めたスープという料理もありました。

 この日の夕方もう一度見に行くと、きのこはみずみずしさを失い、切り干し大根のようになっていました。この美しくも(?)はかないきのこを眺めつつ、ふと、不自然なものを当たり前に存在させ、見せてくれる自然界の力を感じたのでした。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-30 15:47 | 工房の周辺 | Comments(0)

廃屋だった我が家

 私達家族は、廃屋だった家を修繕して住んでいるのですが、ここに来た当時の家はかなり荒れていました。天井は落ち、床は腐り、裏山のヤブは今にも家を飲み込もうとする勢いなのです。日々の作業は自然との共存というより、もはや「格闘」といった方がしっくり当てはまる感じで、そんななか草刈機やチェンソーを振り回していました。

 ヤブだらけの外回りのほかに、室内の修繕にも同時に手を付けていましたが、家のゆがみからか建具はどれも動かず、外すのに苦労しました。よく家の購入時には、建具のすき間をチェクすると家のゆがみが分かると言われますが、廃屋には当てはまりません。柱と建具のすき間は平気で2センチぐらい開いている家も多いですし、台所に竹が生えている家もありました。さすがにこの家は竹は生えていませんでしたが、野生のテンは棲んでいました。

 こうして「格闘」を繰り返し、半年ほどかけて直したわけですが、やはり廃屋選びのポイントは自分の技量を考えて選ぶ事のようです。私は内装の仕事の経験はありましたが、大工さんのように家は建てられませんので、柱や梁がしっかりしている物件を探しました。

 しかし何とか一段落した今、ふと思うのは、手に負えないような家を、色々調べながら時間をかけて直すのも楽しいだろうなとか、自分で建てたらもっと喜びも大きいだろうなとか、少しやっかいなことなのでした。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-26 15:46 | 工房設立まで | Comments(0)

テント、はりました。

バタバタと仕事が舞い込み、工房が忙しくなってきました。このままだとすべて終らすのに、年内いっぱいかかるかもしれません。そこで工房にテントを出現させました。
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 なぜこんなところにテントかと言うと、この中で子供達を遊ばせるためなのです。妻も私と同じ家具工房で修行していたので、工房の仕事が忙しくなると、育児中の彼女の手を借りるのです。上の娘のときは、乳母車に入れて仕事をしていましたが、二人目の子供が小さい今は、目が放せないのでこのテントの出番です。乳母車より自由に動けて虫も入らない、そして少々目が放せると、かなりの便利グッヅです。

 これを見るともうすぐ4歳になる娘は、はしゃぎつつ「ここで子守りをするー」と、はりきっていました。ちなみにこのテント、廃屋だった我が家の修繕中に、半年ほど私が寝泊りしていたものです。
 さて、いったいどうなることやら・・・。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-23 15:36 | 暮らし | Comments(0)

 木工房のHPを見ると、「手作り」とか「手仕事」という言葉をよく目にすると思います。私達の工房でも使っていますが、この言葉について少し説明しないと、業界以外の人には分かりにくいのではないかと感じ、私なりの考えを書きたいと思います。

 木工は陶芸などと違い、多くの大型機械が使われています。ではなぜ手作りと言っているのでしょうか。
 それは例えば、四角い板の一辺を曲線にするとします。四角い板の厚み、幅、長さは機械でそろえ、その後の曲線や面取りは電動工具で加工します。この後からが手仕事です。電動工具で加工された曲線や面は木肌が荒れているため、すべて鉋(カンナ)や小刀で仕上げられます。また電動工具で取った面も機械ゆえの均一さがあるので、だんだんと面を大きくしたい時などは手作業で行っていきます。下の写真が、このときに使われる道具の数々です。
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 そして板の平面を仕上げるためには、一般的に大きめの寸八(スンパチ)鉋と呼ばれる、刃渡り7センチほどの鉋が使われます。なるべく薄い鉋クズを出すように心がけ、逆目(毛羽立った部分)を取りながら、板を平滑にしていきます。テーブルの天板は特に神経を使う作業です。しかしこうして丁寧に仕上げないと、後の漆塗りの作業でムラが出たりします。省くことのできない工程と言えます。
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 こうして仕上げた板は、機械だけのものより明らかに艶があります。鉋がけを行う大型機械もありますが、ダイニングテーブルの天板ぐらい大きなものはやはり手作業で行います。そして下の写真が、鉋のかけ終わりになり、艶が増した状態です。(樹種はタモです。)
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 家具はこのように仕上げられた板や棒を、直線や曲線で組合すことで出来ています。つまり最終的に全体のデザインを決定付けるものは、「手仕事」で行われるのです。何となく手作りの家具に体温を感じるのは、こういうところからかも知れません。このようなことから私達の工房でも「手作り」や「手仕事」という言葉を使っています。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-15 15:34 | 木工 | Comments(0)

b0126098_1530339.jpg 今回は田舎暮らしに必要であろう道具について書いていきます。

 私が田舎に来てまず始めたこと、それは草刈でした。人の手が入らなくなった土地は至所すごい藪となり、庭木が一体何本あるのか分からないほどでした。まるで緑の山がそこにあるような感じです。それをカマで刈っていたらとても終らないので、草刈機が活躍します。カマの何倍ものスピードで作業がはかどり、細い木もなんなく切ってしまいます。田舎に住む限り、草刈機は必要だと思います。

 そしてチェンソーです。これはあると便利と言うもので、私も最初は持っていませんでした。ここに来てしばらくは、ノコギリで木を切っていたのです。しかしそんなある日、近所のおじいちゃんがチェンソーを持ってやって来て、「これは、少し直せば使えるから・・・あげる。」と、置いていってくれました。使ってみるとノコギリより断然早く、今では薪作りにも重宝しています。これだけではなく、ここの村の人々は情が深く、今でもよく野菜を頂きます。余談ですが、村に来てから4年経ちますが、最初の2年間は一度もお米を買わず、頂き物で生活していました。

 道具について細かく書くとキリが無いのですが、最後にもう一つ、やはり一輪車(手押し車)は欠かせません。土を運んだり、野菜を運んだり、木を運んだり、生活の様々な場面で必要です。

 とにかく田舎では、街では使うことの無い道具がかなり必要で、これらの購入にも結構な金額を要しました。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-12 15:28 | 工房設立まで | Comments(0)

質実剛健?

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 先日の竹の箸が、娘からダメだしを受けました。こちらが良かれと思って残した節が、気に入らないようです。節があると趣があると思いますが、娘には虚飾でしかないようです。

 あらたに作り直したその箸は、何となく割り箸のようで、少し物足りない感じがします。質実剛健と言えば聞こえはいいのでしょうが・・・。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-10 15:26 | 暮らし | Comments(0)

保育園の竹のはし

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 ジメジメしたこの季節、3歳の娘の箸にもカビが生えてしまいました。早速、工房の裏山の竹を使い、箸を作りました。上の写真左のように竹を割り、小刀やかんなで削って完成です。

 以前、木や竹のものよりキャラクターの箸のほうが子供は喜ぶかと思い、キティちゃんの箸を買ってあげました。ところが娘は「木のほうがイイっ」というので、その時は屋久杉で作ってあげました。その箸も傷み、これで4膳目です。家ではコクタンの箸を使っている娘は、かなりシブい趣味をしているようです。

 箸は毎日使うもので、少しずつ箸自体も食べてしまいます。やはり自然素材が安心できます。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-09 15:23 | 暮らし | Comments(0)

水も電気も必要です。

 工房開設する上での土地の条件を書きましたが、ウチのように工房兼住宅となるとそこに住むのですから、仕事ができれば良いという訳にはいきません。我が家は20~30年ぐらい廃屋でしたが、人の住まない期間が長ければ長いほど、当然家屋の傷みは激しいのです。畳が敷きっ放しの部屋や、雨漏りのしている部屋の床は、ほぼ腐っていると考えたほうが良いと思います。我が家も足を踏み入れるなり、畳ごと床を踏み抜きました。

 このような家の修繕を他人に頼むと高いので、これから木工をやろうという人は当然、自分で直すことになるでしょう。ところがこの修繕期間を、私は考えていなかったのです。結局半年ぐらいかかり、その間、母屋は床もなく寝泊りできないので、機械のまだ入っていない工場に一人、テントを張って過ごしていました。その頃はアルバイトもしていたので、テントからスラックスと革靴をはいて出社と、なかなか味わえない日常を送りました。

 そして人が暮らす上で重要な「水」についても、考えが甘かったようです。廃屋を中心に家探しをしていたので、人が過去に住んでいたと言うことは、当たり前に水があると思っていました。しかし違うのです。田舎は上水道が整備されていない地域が多いので、水は井戸か、地下水をボーリングして汲み上げるのが一般的のようです。また沢水をひいたり、近所から「もらい水」というのもあるようです。

 この地に来た当初、この家が過去に使っていた井戸を覗くと、地面に深く穴を掘っただけの、内壁が土むき出しという素掘りの井戸でした。長いこと放置された井戸は内壁も崩れ、そばに立っていることにも危険を感じました。しかしこの井戸を使わなければ、我が家には水が無いことになります。残された道は地下水の汲み上げか「もらい水」となり、悩んだあげくにボーリングすることにしました。参考までに、この費用は1メートル約1万円ほどかかります。大体この地域の平均が、配管含めて100万円ぐらいです。

 つまり人気の無い田舎暮らしに憧れて、山に土地を買うと、高い土地は水が出にくいのでボーリングの深さが増します。知り合いに200メートル掘った人がいます。(ウチは60メートルぐらいです。)また公道に隣接していない土地を買うと、私道を造る事にもなります。電柱も自費で立てなければいけないようです。その点農村で土地を探せば、木工機械を動かすのに必要な、200ボルトの電気も大抵来ているので安心です。

 次回は、工房開設時にあったらいいなと思う道具について、書きたいと思います。
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-07 18:29 | 工房設立まで | Comments(0)

調理用の木のおへら

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 最近つくった木のおへらです。白っぽい方がイチョウの木で、色の濃い方はホオの木です。長さ30センチ幅6センチぐらいのサイズです。カレーやシチューのとき、深めの鍋で野菜を炒めたり、中華鍋で野菜炒めを作るときに活躍すると思います。

 これは、以前家具を納品したお宅から追加注文を頂き、その打ち合わせの際に奥様が、「調理用のへらとかは作れませんか。」と言われたので、つくってみました。前にも自宅用には作ったことがあったのですが、その時はウチで使うのだからと首をかなり細くし、スタイリッシュにしました。見た目はきれいだったのですが、台所用品としての「用」には徹しきれずに、1年待たずして首が折れてしまいました。

 今回は人の手に渡ることが前提の制作ですので、木は狂いにくく粘りのある、そして木目がきれいなイチョウとホオの木を選びました。全体の強度を増しつつ、ヤボったくならないよう注意しながら削りました。

 価格は800円から1000円ぐらいを予定しています。これは家具づくりで出た端材で制作しているため、材料費を含まない価格設定にしてあります。そのため、ある時にはあるという品物で、木もその時々で色々な種類になりそうです。

(新品時は人体に安全な植物性のオイルが塗ってありますが、時間とともに効果が弱まり、油やルーなどで染まります。ある程度消耗品とお考えください。)
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by mokkoubou_yabuki | 2005-07-06 18:27 | 木工 | Comments(0)