2007年 01月 18日 ( 1 )

チギリの話です

 手で書く、いわゆる“昔ながらの日記”をつけている私は、実は今年こそ「ブログもしっかり更新しよう」と思っていました。でも毎日毎日そんなに書くこともありません。ブログのことを一日中考えていればちょっとぐらい面白いことも書けそうですが、そうも言っては居られません。

 そんな時、部屋の片隅を見れば自分が創った“月見膳”に目がいきました。これには千切り(チギリ)が入っているのですが、それがひょうたんの形になっています。こっちは遊び(暇つぶし?)でひょうたん型にしたのですが、お客さんから見るとそれが珍しいらしく、2度ほどですが「チギリはひょうたんで・・・。」と言われた事があります。まずは下の写真を見てください。
b0126098_18463651.jpg

 こんな感じです。
 写真の説明をすると、土台というか地は、ナラの木を槍がんなで削り跡をつけた“月見膳”です(拭き漆)。その天板が割れていたのでひょうたん型の千切りを入れました。ちょうど、ひょうたんの胴のクビレの部分に割れがくる様にしてあります。これにより、割れはそれ以上拡がらなくなります。この黒い木はコクタンです。右のリボン型はケヤキで、これが通常のチギリの形になります。これは長手が4センチぐらいのもので、千切りは硬い木で作るのが一般的です。(ちなみにこのリボン型の千切りは、使えないので捨てたものです。このように木目が端から端まで通っていないものはダメです。)このリボン型のものは一度に大量に作るので、どうしてもこういう使えない物が出てしまいます。捨てるものもったいないので、それらは子供のおもちゃになっています。右の物は、子供が遊ぶから角が丸くなってしまっていますが、加工後は角がしっかりと立っています。

 それに比べて左のひょうたんは、一つずつしか作りません。量産の必要が無いのと、沢山は作りたくないというのが本音です。リボン型は彫って埋めるだけなら(リボンは出来ているとして)、ひとつ15分もあれば出来ます。それに対してひょうたんはめったにやらないと言う事もありますが、ひょうたんを作って埋めるのに数時間掛かります。私の場合この時間は、ヘタのリアルさにあります。実際のひょうたんのようにヘタをリアルに曲げればそれだけ時間が掛かります。ヘタは細いので(1ミリぐらい)変に曲げたり長くすると、打ち込むときにすぐ割れてしまいます。この写真ぐらい短く、まっすぐだと結構早く出来ます。

 そもそもなぜ千切りを入れるのかと言えば、割れは”捨て切り”などと呼ばれ、捨てられてしまうことの多い部分でもあります。はっきり言ってもったいないのです。千切りを入れることにより、割れを人の手でデザインの一部に変えることも可能です。それをリボン型のみならず、ひょうたんや帆掛け舟などの埋め木をすることで止められたら、それはそれでとても有意義なことだと思います。それを晩酌でもしながら「めんどくせーなぁ」などと呟きながら、やってたらある意味“粋”って感じがします(ちょっと分かりにくいかな)。

 まぁ、とにかく物は大事にしましょうってことで・・・(強引なまとめですが)。
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by mokkoubou_yabuki | 2007-01-18 18:45 | 木工 | Comments(0)